小学校時代、得意な時間は休み時間と昼食と体育だったから、先生の覚えがいいわけがない。 それに比べ、大人びていた女子はいかにも楽しんでいるかのように課題をやり、つねに成績がよかった。
私の成績はほとんどの科目でCだったが、ただ自分が勉強しなかったからだけではない。 よくできる女子に比べ、自分はどうせばかなのだと思うようになり、競争に負けて恥をかきたくなかったのだ。
私が力を発揮する場はもっぱら運動場となり、成績はいつも悪かったので、自分はどうせ出来の悪い子なのだとあきらめていた。 そんな自分の否定的イメージと過去の成績に引きずられ、ほんとうの能力に合った生き方をしていないことに気づいたのは、大学3年になってからだった。
幸いちょうどそのころ、自分が生まれながらにしてもっているもの、世の中から与えられたものを充分出し切っていないことに気づいた。 私は必死に勉強しはじめた。

落ちこぼれになりたくなかったのだと思う。 いい人になるように育てられた人は、そんな否定的な自己像を引きずって成長し、やがてほんとうにそうなってしまうことが多い。
自分はどうせそういう人間なのだと思い込み、そのイメージに生き方まで支配されてしまう。 自己評価にはそれだけの影響力があるとわかれば、なぜがんばりすぎるのかもわかってくるだろう。
「私は人より劣っている、重要でない、価値がない」と思うから、その思いを打ち消そうと一生懸命になるのだ。 認められたいと思う人から頼まれれば、つねにイエスと答え、さらには頼まれもしないのに、自分から「やりましょうか」と申し出てしまうすでに充分、忙しいのにもかかわらず、受け入れられていると知っている人は、自分には価値があると思える。
実際、人間が宇宙の中心にある愛によって生かされているとは、自分にもそれだけの価値があるということだ。 家族や友達の無条件の愛が、自分のほんとうの姿を映し出している。
こうした見方はとりあえず、低い自己評価を変えるきっかけになる。 問題は私もそうだが、習慣からついいつまでも、子供時代の自分のイメージをもちつづけてしまうことだ。
私たちが子供時代のイメージを引きずって成長し、それが現在の自分の一部になっていることは前にも述べた。 心理学者によれば、子供時代に満たされなかった欲求から解放されて健全な大人になるには、この子供時代のイメージを理解し、受け入れ、吸収しなければならない。
子供時代に自分を低く評価した経緯がわかったところで、大人になっても同じことを繰り返す必要もないし、すべきでもない。

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